2018.9/17  店で使っていた木箱のその後



店を開いていた4年半の間、レジがありませんでした。原始的に木箱でお金を管理していました。



開店の数日前、たまたま訪れたアンティークフェアで見つけた箱です。

内部は自分で仕切りました。



それが今では自宅でアクセサリー入れになっているのですが、



私は普段アクセサリーを付けないため、チャック袋に入れて無味に保管するだけとなっています。

しかも自分で買った物はほとんどなく、人にもらった福袋的なものに入っていたとか、どこかのお土産とか、自分が店で売っていた時の試作品といったものが多く、高価なブランド品は皆無です。



ほぼ開かずの箱となっていました。

でも小さな娘にとっては夢いっぱいの宝箱に映るようです。
特に娘が3歳の頃、よく棚から取り出して遊んでいました。


じつは私も小さい頃、同じことをしていました。

母が使わなくなった物が箱にまとめて置いてあり、私もそれを時々取り出して遊んでいました。

それはせなけいこさんの絵本の「きれいなはこ」によく似た古い紙箱で



中身は色とりどりでした。

カメオブローチの顔が少し怖かったり、一番好きだった青い石のネックレスは大きくなったらもらう約束をしたり(そういえばもらっていません)、今もよく覚えています。

そんな思い出があったので、娘もいつか私の木箱に惹かれる日が来るのではないかと、予想はしていました。

何にでも興味を示す1〜2歳の頃にさりげなく見せてみたところ、獲物を見つけたライオンのように飛びついてめちゃくちゃに荒らされ大変なことになったので、一旦なかったことにして…

分別がつき、魔法やプリンセスといったものに興味が出てきた3歳の時に、あらためてさりげなく見せました。

開けた瞬間の、娘のキラッと輝いた目の美しさは忘れられません。

ひとつひとつ夢中で見ている様子は本当に可愛いものでした。
娘の初めての体験をたくさん見てきましたが、これもまた一度しかない特別な瞬間だったのだと気付きました。

以来、時々「あの箱出して」とせがまれるようになりました。



中身のうち、私が自分で買った物が3つあるので紹介します。

その1. 青いヘアピン



これは昔、雑貨屋さんで1つ600円くらいで買ったものです。

小さい頃、高価な宝飾品を見てもなんとも思わず、おもちゃ売り場で300円の指輪セットを見て

「大人はなぜわざわざ大金を出して宝石を買うんだろう。こっちの方がずっときれいなのに。私は多分大人になってもこっちを買う。」

と思ったことがあったのですが、自分がその感覚のまま大人になったのだと、つくづく感じました。



隅っこの蓋付きスペースに入れています。


その2. 銀の小箱のネックレス



プフレーゲライヒト店内で期間限定展示販売をしてくださった、ジュエリー作家のサカモトマミコさんの作品です。

銀の箱の中には小さな球体が入っていて、振るとコロロンと澄んだ美しい音がします。



その後サカモトさんに教わりながら自分で銀を曲げて作った指輪も、一緒にしまってあります。




その3. クリィミーステッキのネックレス



昔のアニメ、「魔法の天使クリィミーマミ」の変身グッズをモチーフにしたネックレスです。

数年前に自分の中で突然ブームが起こり、その時に色々買いました。


↑この後もどんどん増えました。

買うだけにとどまらず、自分でステッキをモチーフにしたサンキャッチャーを作って玄関に吊るし始めるなど、完全にどうかしていました。





しかしやがてグッズを集めれば集めるほど、虚しさを感じるようになりました。

たとえばこれは魔法のコンパクトをモチーフにした鏡なのですが、



私はこんなショッキングピンクの、丸や四角、もしくはハート形といった、二次元をそのまま三次元に起こし直したようなものが欲しいわけではなかったのです。

あの世界観に浸り込みながらも人間界で生活しなければならない私に対し、グッズはあくまでもアニメの世界だけの物、つまりアニメそのままのイラストとその立体化でしかありませんでした。

そこにマミと私の間の埋められない溝を感じ、集めたうちの大半を処分してしまいました。

わずかに取っておいたものが、

ステッキ型のお箸



左の2つは勢いで一緒に買った別アニメのお箸ですが、中のハートがクルクル回るという「動」の喜びがあるのはマミのお箸だけです。



ステッキ型のリップクリーム



これまたクルクル回ります。

そして、このステッキ型のネックレスです。これは回りません。



娘はこれをそのままステッキとして使いたがるので、チェーンを外して渡してあげると、振りながら家中を妖精のように跳ね回ります。

魔法少女になりきる無邪気な姿、これも今しか見られない大切な瞬間…と思いましたが、30代後半でステッキグッズを買い漁った我が身を振り返ってみると、別に幼児期に限った行動ではなさそうです。



娘は4歳になり、「青いペンダントが欲しい」と言い出しました。

私のアクセサリーに青が多かったので、影響したのかな?と思ったら、「中に小さな丸が付いてるやつ」と、妙に具体的に語ります。

よくよく聞いてみたところ、ディズニーアニメ「小さなプリンセス ソフィア」のペンダントのことで、



調べてみると、千円ほどのものから5万円近いものまであります。

アニメグッズにあれだけ謎のこだわりを感じた者としては、まがい物を買うわけにはいきませんが、かといって5万円のペンダントを買い与えるわけにもいかず、悩むところです。


そしていつの間にかソフィアブームは去り、私のアクセサリーケースにも興味がなくなったのか、最近は「箱出して」とせがまれることもなくなってきました。

またしばらく、開かずの箱に戻ります。



プフレーゲライヒトのおはなし